2022.11.16

クリエイターはNFTをどう活用すべきか?

その他

アニメーターがNFTを扱うには?
アニメにおけるNFTの「今」を知る、3夜連続のオンラインセミナー。9月24日の2日目は、「クリエイターによるNFT活用」と銘打ったセッション。モデレーターに濱中良氏(Onakama社・ANiC)、ゲストにはGOZ氏、りょーちも氏の2名を迎えた。


濱中良氏、GOZ氏、りょーちも氏の3名でカンファレンスが行われた

GOZ氏は、2021年10月に「アニメーションを、飾る」をテーマに、“アニメーター単独個展”を銀座で開催し、NFTアニメーション9作品で成約総額3145万円を突破。「日本が誇るアニメの新たなジャンルを切り開き、日本文化の魅力を世界に発信していく」という思想を軸に、他業界とアニメーションのコラボを実現しているアニメーターだ。

カンファレンスへの思いを聞かれたGOZ氏は、「NFTについて語る機会はなかなかなかったので、こういう機会があって嬉しい」と意気込んだ。

りょーちも氏は、ゲーム会社勤務ののち、『BECK』(2004)で原画デビューし、有名アニメの原画やキャラクターデザイン、総作画監督を経て、2010年からはアニメ監督を務める。3D作品並びに2Dと3Dのハイブリッド作品の演出に長けた第一人者として活躍中。

りょーちも氏はNFTに関して、「(NFTでの販売を)以前やってみたけれど、今は全然触っていない。NFTはどういうものなのか、面倒くさがりの人間でもやっていけるのかどうか、自分のメンタル的に乗り越えられるのか判断したい」とのこと。

カンファレンスは、「ゲストの今までのNFT活動」(過去編)、「クリエイターからみたNFTの今」(現在編)、「NFTはこれからどうなっていくのか」(未来編)の3部構成で進められた。


3人で和やかに話し合いながら、過去、現在、未来……という軸に沿ってセッションは進行した

「アニメ外の付き合い」からNFTの導入に繋がった
まず、「ゲストの今までのNFT活動」(過去編)の導入として、濱中氏はGOZ氏に「(アニメ)クリエイターは今からでもNFTをやったほうがよいのか?」という問いを投げかけた。

それに対して、GOZ氏は自分のキャリアを振り返りながら答える。GOZ氏は、アニメーターとして原画や作監といったアニメ制作の作業をこなしてきた。そのキャリアを活かしつつ、多くのやりたいことがあったという。


NFTで作品を販売した経験から、具体的な活用法について語るGOZ氏

その方向性の1つが、「せっかくNFTというものがあるのだから、活用しないわけにはいかない」というものだ。GOZ氏によれば、「アニメの人たちはNFTを利用するのが遅いと思うので、その間に、他のクリエイターにNFTとしてのアニメを持っていかれるのが嫌だった」とのこと。

GOZ氏が2021年10月に銀座で開催した個展は、「映像を飾る、アニメーションを飾る」というコンセプト。NFTを利用した作品販売は、同年12月に始まった。

個展では「呼吸」をテーマに猫や老人のキャラクターが呼吸している映像がモニター映し出されていたが、GOZ氏はそのモニターごと販売するという企画を実施。映像自体は、「アニメ業界の人が見たらどれぐらいで作ったかわかるような、シンプルなもの」だとGOZ氏は語る。そうした作品に対して、いかに価値が付き、販売できたのかをアニメーターに見せたかったのだという。


個展ではNFTを活用し、作品をモニターとセットで販売した

りょーちも氏はGOZ氏の取り組みを称賛しつつ、「1人のアニメーターが、『よし、やろう』としてできる取り組みではない。なぜ、このラインを見い出せたのか?」という疑問をぶつける。

GOZ氏の回答は、「画廊の方など、いろんな人に手伝っていただいて、イベントが成功できた」というものだ。ここ5年ほど、実写業界の人との付き合いが多かったというGOZ氏。「アニメと関係ないところで勉強をして、いろんな教えを受けて、こういう活動をやったほうがいいなという概念をもらった」と語る。

そうした業界の外との付き合いがきっかけで、NFTやブロックチェーンなどの概念もアニメーターとして早く知ることができたのだという。

アニメ業界の内側にいると、NFTに興味を持っていられない
濱中氏の、「(GOZ氏は)NFTをやろうというより、知り合った関係の中にたまたまあったからやろうとなった」というまとめにうなずいていたGOZ氏。本人も、「NFTという名前がなかった頃から、トークンやブロックチェーンという話は伺うことがあったので、アニメーターとして重要なんだろうな……と思っていたが、勉強しなかった」と笑う。

りょーちも氏も、NFTに関しては「自分ごとにはなかなかならない」と、距離を感じていたようだ。「科学とかSFが好きという論点から、仮想通貨などを面白そうと思って見ていた」と話すりょーちも氏だが、アニメ業界で働く人たちの多くは、“自分がNFTを使う”というポイントでは見ておらず、「やってる人いるんだ、すごいなーで終わり」ではないか……と考えているという。


NFTに関心はあるが、難解さゆえに距離を感じていたというりょーちも氏

NFTで作品を販売していたGOZ氏も、NFT周りの細かな作業については「自分ではやっていない」と話す。「(2021年)10月、12月の時点では任せないとNFTの活用はできなかった」と話しつつも、りょーちも氏と同じく、アニメ業界の人はNFTになかなか興味が持てないだろう……と考えているとのこと。

それはなぜか。GOZ氏によれば、「アニメ業界だと、NFTに興味を持っていられない」からだ。

「仕事に繋がる人は一生懸命できるエネルギーを持ち続けられるけど、職人的な方は難しいかと思う。難易度の問題ではなく、興味を持ち続けられない」と課題を挙げる。

りょーちも氏も、かつてNFTで作品を販売しようとしながら、仮想通貨を持つためのウォレットと、現金をコンバートする口座などの制作に難解さを覚えたという。

さらにGOZ氏は「取引後の問題」も指摘する。販売後に発生する“窓口としてのやり取り”がクリエイターにできるのか。そもそも販売時からSNSなどの宣伝やマーケティングなど作業も多く、顧客からの問い合わせもある。

りょーちも氏は、これらの困難に「カスタマーセンターになれということ(に近い)」と苦笑し、「自分ごとにしないとやれない」と話す。「やろうと思っているものの、ハードルが高くて止まっている人に、『それを乗り越えて、その先のビジョンを……』と言っても、無理に決まっている。『稼ぎが必要』ぐらいの動機がないとつらいのでは」として、NFT活用の難しさについて触れていた。

NFTも同人誌も、始めは「慣れ」の問題?
続いて、話題は「クリエイターからみたNFTの今」(現在編)へ。

NFTへの“参入”は、アニメーターにはなかなかハードルが高いという点で意見が一致したGOZ氏とりょーちも氏。では、「やってよかった部分」はあるのかと、濱中氏はGOZ氏に問う。


アニメーターがハードルの高さを感じるNFTの活用に、「やってよかった部分はあったか?」と問いかける濱中氏

GOZ氏の答えは、「NFTは実際のところ、販路です。販売のルートが1個増えたからやらざるを得ない。今からやるべきかと言われたらやるべきなんです」というものだ。

「アニメーターは自分の価値を自分で表現するのが難しい」と話すGOZ氏は、これからは自分で自分の価値を表現しないと生き残れない部分があるとも語る。そのための手段の1つがNFTを活用することだという。物理的な販売でもいい、デジタルでもいい、そして何をお客さんに届けてもいい……というGOZ氏。

しかし、これに対して、りょーちも氏が、同人誌即売会を例に出して、デジタルのメリットに対して質問をぶつけた。

たとえば、アニメーターが「同人誌」を出すことがある。アニメスタジオが、そこだけのメンバーで本を頒布するという手法を取る場合、同人誌を出すよりもNFTを利用するほうが参入障壁としては高く思える。では、NFTのメリットは何か、というもの。

この問いに答える前提として、GOZ氏が挙げたのが「慣れ」だ。同人誌を作るにしても、印刷したり、頒布する場所を取ったりと、慣れないうちは大変なはず。その障壁が低いのは、同人誌頒布のノウハウが広く知れ渡っており、多くの人たちが「慣れているから」だという。

この答えを受けて、りょーちも氏は同人誌即売会の流れ、「最初に参加の申込みをする→印刷所に原稿を入稿する→検査のための本を運営に渡す……」などのプロセスを経ないと本が頒布できないことをふまえ、「そういう流れがNFTにもあるとしたら、コミケもNFTでの売買も、手間は変わらない」のだと納得した。

NFTを活用することで販路を増やす
GOZ氏はNFTのメリットとして、「世界中の誰にでも買ってもらえる」点を挙げる。同人誌のように物理的な受け渡しの場合、その場に来てもらう、あるいは郵送するなどといった送る/受け取るの手間が発生する。NFTならば、ワンタッチで(データが)移動可能、かつ簡単に売買が成立するというわけだ。

さらに、海外の人が簡単に見られることもメリットとして挙がった。「売りたい人と買いたい人が直接繋がるのだったらやったほうがいい」とGOZ氏は話す。

このように、NFTをアニメ作品の販売に活用し、そのメリットを語ってきたGOZ氏。しかし、濱中氏に「今からでも、すぐにやったほうがいいという見解か」と聞かれると、「個人的な見解としては……」と前置きしつつ、「今すぐはやらなくていい」と考えているという。

GOZ氏がそう考える理由は、NFTの世界が「まだ世に出たばかり揺らいでいるところもある」状態だと見ているからだ。NFTで作品を売っている人も買う人も、本質的にクリエーターを『応援したい』というより、投機目的、トレンドに乗っている人が強いのではないか……とGOZ氏は見ている。

そのような世界の中でクリエイターが自分の作品を売ろうとすると、労力を取られ、疲弊するかもしれないと危惧しているという。

「本物のクリエイターであればあるほど、自分の仕事で忙しいはず」と語るGOZ氏は、自身の経験をふまえた上で、顧客との対応などが1人ではできないのだとしたら、応援者・マーケティングチームが必要になるだろうと語る。

この見解に対して、りょーちも氏は「フォローしてくれる人の有無は大きい」、濱中氏は「先駆者の立場の人は、それなりに泥水をすするかもしれないけれど、リターンもあると思っている。ただ、個人でやるとなると、もうちょっと道が舗装されている段階での参入がいいということですよね」と同意を示した。

アニメーターのNFT活用に必要なのは「ブランディング」
アニメーターがNFTを活用するにあたり、気をつけるべきことは何か。GOZ氏が真っ先に挙げたのは「ブランディング」だ。

GOZ氏はアニメーターに対して、「作業として、アニメ作品という全体の中の一部を担当しているから、自分の価値をどう見せていくかということをあまり考えていないのでは」と見ている。

自ら作品を販売するにあたっても、「自分の価値はこうなんだ、自分はこう見せたいんだ」という部分が抜け落ちてしまい、販売するときにいろいろなものに揺さぶられてしまう……と警鐘を鳴らす。

よってGOZ氏は、アニメーター自身がブランディングを考えることの重要性を説く。「全体の中の一部を担う職人のような人ほど、自分の価値観、思想のようなものを考えることに時間が割いたほうがいい」と語る。


アニメーターのNFT活用に必要「ブランディング」について意見を交わす三者

しかし、アニメーターのブランディングに関しては、りょーちも氏が「アニメーターって、なんでも屋になるんですよ」という言い回しで、簡単ではないことを補足する。

りょーちも氏によれば、アニメーターは、作品に応じてさまざまな作業が求められる。アクションシーン、かわいらしいキャラクター、日常の風景など、多岐に渡る。それらをこなせなければ、アニメーターになれない。

そのため、個性的な絵しか描けないとなると、「その絵しか出せないって、アニメーターとしてどうなのか」という論点まで生まれかねない。りょーちも氏によれば、アニメの現場には「自分をデザインすること」をことごとく避けるようになってきた人が多い。そういった人たちにとって、あらためて自分をデザインするというのは悩ましいものではないか……と考えているという。

個人を売り込むのはアニメーターにとって難しさがある、という意見には、GOZ氏も同意していた。アニメーターは自身のポートフォリオを作りづらく、ある作品に関わっていたとしても、権利としてそれをポートフォリオとして出すわけにもいかない。GOZ氏は、「得意な分野はあるけれど、『自分といえば絶対的にこれなんです』というものを持っていないのが普通」だと語る。

それを受けて、濱中氏も「アニメーターさんはクレジットを見ると、『おお、すごい』となるんだけど、実際作れるものを見せられないとなると……業界外の人からすると『どんな人だろう?』となる」として、アニメーターのブランディングの難しさに理解を示した。

業界の課題と、それを打破するための課題
アニメーターのブランディングは難しい……ということで、意見の一致を見たゲスト2人。

りょーちも氏によれば、アニメーターは「なんでも描ける」ことを押さえてきたクリエイターであるがゆえに、自身のブランディングを考えることは、これまで自分がしてきたことから逆行する行動だと考えるかもしれないと語る。

それに続けて「『今回はこういうPVだから』とキャラクターを自主的に作っちゃって、自分をセールスするのではなくて、『こういうコンテンツだ』と言い張ったほうがまだ動きやすいと感じます」と解決策の一例を提案。

また、業界の未来について「(全体が)これからどんどん疲弊していく」可能性を感じているという。「楽しくてやりがいがあっていい仕事だと思うけど、年収含めて上がっていくにはハードルが高い。上のほうのポジションを走っていないと生計が立てられない」とりょーちも氏は話す。

しかしGOZ氏はその業界の現状に、「上のほうを走っているということは(業界の)サイクルにどっぷり浸かっているということで、(NFTなど新しいことを始める)時間が常にない状態」というジレンマを抱えてしまうことを指摘する。

金銭の面、時間の面で自分の人生をどう考えるか難しい業界だからこそ、GOZ氏は、「個人で活用できるNFTで自分で自分の価値を作って応援してもらう形を作っていく」ことが今後の課題になると語る。

NFTをやってみようと思ったら「失敗を恐れない」「業界外と繋がる」
濱中氏は、「NFTにはまだ不安要素もあるし、打って出ようとしたときに『出そうとする作品』がない人もいる。やってみようかな……という人は、どういうものを準備すればいいのか」と話を振る。

りょーちも氏は、自身のNFT経験について、「作品が買われたのか、どこかに行っちゃったのか、よくわからなかった。権利が自分のものじゃなくなっちゃって、でもお金が入ってない。やりにくいなあ……と思った」と苦笑する。

しかし、それと同時に、そのプロセスで口座も作り、ウォレットも持ったことを挙げて、「そこまではできているから、再びNFTをやろうとなっても、あとは何回かトライ&エラーするだけ」と話す。失敗経験を積むことも、将来的にNFTを活用する上では大事なのではないか、と述べた。


りょーちも氏は、今のうちに失敗を経験しておくことで、将来の準備ができるのでは……と提案

一方、GOZ氏は、「ちょっと話がズレてしまうかもしれないが」と前置きした上で、自身が個展を開催したことをふまえながら、自分の業界外の人たちと話すことは糧になる部分が大きいと提案する。

加えてGOZ氏が語ったのは、アニメーターの「タイプ」に関してだ。「アニメを実直にやってくださる方も必要なので、そのタイプの方を守るべく、外に出られる人が動くのもいいのかなと」。

「たとえば、私がアニメ業界で働く人を応援するために、NFTを活用することもできる。私が『こんなすごいアニメーターがいるんだからな』と紹介することもできる」とGOZ氏は話し、作業に没頭するタイプのクリエイターは自分たちのやるべきことに集中し、それ以外の人がサポートする……といった、クリエイター同士ができる/できないのサポートにNFTの活用を提案。

また、GOZ氏は「コミュニティ」という表現を使い、「アニメーターたちもアニメ分野に限らず補い合えるような、同じ道を進めるような人たちと一緒に形成されているコミュニティがあるといいですね」とまとめていた。

個人がハッピーになるロードマップをNFTを活用して作ってほしい
最後に、「NFTはこれからどうなっていくのか」(未来編)として、濱中氏は「今後、どうなっていくとよいと思うか?」と2人に話を振った。

りょーちも氏は、商業アニメのアニメーターだけではなく、同人作家などのクリエーターもいることに触れる。今の業界は「お金の関係も人の流れも全体で動くことができなくなっている。スーパーアニメーターが個々で動いている」と指摘し、「それって、個人作家がやっていることと似通っているところがある」と語る。

りょーちも氏によれば、「個人作家がハッピーになっていくロードマップを作ってあげられたとしたら、それがよい産業になっていく」「今は商業レベルにならないと食べていけないという流れだから。個人作家の人たちがガチで勝っていけるという流れがまずは証明されていく、というのがフロントの走り方としては必要なんじゃないかと思っています」と言う。

そこから、「業界がどうなっていくべきかというと、NFTもそうなんですが、個人が個人のまま戦えることが担保されている」ことが大事だと語る。そうした仕組みに産業として企業が“乗っかって”、商業としてやっていってもよい……としつつ、「基本としては個人で戦えますよ、個人のほうが動きやすいですよ、というフロントの整備ができるとしたら最高」とまとめた。

コミュニティを応援する手段としての「NFT」
一方、GOZ氏は、個人作家だけではなく、コミュニティに貢献できることもNFTのメリットだと語る。「日本のよいところってみんなで作れるところがすごい。商業アニメは、たくさんの人たちが曖昧なものを共有してなぜか作り上げられちゃう。感覚でなんとなくやっているところ、曖昧なものを許容しあって作り上げられるところが商業アニメのよいところでもあるから、そこは絶対に守ってほしい」。

それを守るためのNFTの活用法として、個人はもちろん、スタジオなどを応援できるとよいのではないか、と提案する。「個人がハッピーになれるのもよいことなんだけど、やっぱり日本はたくさんの人が集まってこそよいものが作れる、職人的気質なのが強い」と話す。

「これから増えてくるであろう“少人数でコツコツ作る”方法に勝てるのは、“超たくさんの人間で作り上げる世界観、クオリティ”。これは守らないといけないという思いがある」と熱く語っていた。

濱中氏がその具体例として、東映アニメーション、ABCアニメーションといったNFTを取り入れようとしているスタジオの動きを挙げると、GOZ氏は「スタジオこそ、早くやってほしい」と返した。


GOZ氏は個人作家の販路確保だけではなく、個人がスタジオを応援するための手段としてNFKの活用を提案した

りょーちも氏、GOZ氏の2つの意見に対し、濱中氏は「個人作家と、商業的なスタジオで働くクリエーターのスタンスは違うのか?」と問いかける。それに対し、りょーちも氏は「そんなには違わないと思う」と語る。

「会社側も個人の作家を囲いたい、自分のところにアサインしたい。クリエイティブを培っていく人を育てたいのはどこの会社もそうなんだけれど、アニメーターは個人で戦うスキルばかり身に付けさせられている。今さら組織に入れと言われても、組織の入り方を忘れているようなアニメーターさんもいる。だからこそ、企業がバッファーを持って、そこで戦うとスターになっていける流れがあるなら、すごく魅力的」(りょーちも氏)

そして、「個人は個人で食べていけないと困るから、個人で戦える、自分で戦って勝ち取れるラインを持っている。だから、個人と集団が必要としているもの、目指すところは近い。ただ、トライアンドエラーとして先駆者になれる人たちがいない限りは何も起きないので、そこが課題ですね」と議論をまとめた。

最後に、GOZ氏は「私としてNFTはまだまだこれから変化していくものだと思うので、その変化を楽しんで見続けられる体力があったらいいんじゃないかと。自分のやってることに誇りを持ちつつ、疲弊し過ぎない。よく寝てよく食べて、元気よくあればいいんじゃないかな、まずは」と笑い、りょーちも氏も「最後は健康だよね」と笑顔で同意。カンファレンスは和やかな雰囲気で閉幕となった。